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【観戦記】Div.1第7節 東京ガス戦観戦記

  • 試合結果
【第7節 東京ガス戦観戦記】 第7節の東京ガス戦は久しぶりの本拠地あぎぎんスタジアムでの戦いとなった。 今シーズン6位以内をチーム目標に掲げる秋田ノーザンブレッツ(以下「秋田NB」)は、この試合を落としてしまえば、6位以上は無くなるという大事な試合。しかしながら、相手の東京ガスは昨シーズンリーグ3位、秋田NBはトップイーストリーグ昇格以来11年間同チームに勝ち星が無いという状況下、厳しい戦いが予想された。 しかし、開始早々風上に立った秋田NBは積極果敢なオープン攻撃を展開する。9分には、ラインアウトから展開→ラック→展開を繰り返し、最後はラックサイドをロックのテモが突破。先制トライを決め5-0とした。以降も秋田NBは攻撃の手をゆるめず19分にはスタンドオフの田村がライン裏に抜け出して中央にトライ。12-0とした。 その後19分に東京ガスにトライを許すも、21分にフランカーの高原、36分にはセンターのクリントン・ノックスが連続トライを決め29-7と大量リードとなった。だが、不吉な予感がしたのはこの後。前半終了間際、東京ガスに攻め込まれ44分に執拗なフォワード攻撃を防ぎきることができず、中央にトライを許し、29-14と点差を詰められ前半を終えた。この流れは、30-31で惜敗した前節の横河戦と同じ流れ。先週、今週と観戦したファンは誰もがそのことを思い出したのではないだろうか。 流れの良くない中で後半開始。しかし、この悪い流れは後半開始早々の秋田NBの神がかり的な攻撃で断ち切られた。相手のキックオフの後、秋田NBは自陣から果敢に攻め込み、3分をも越える長時間にわたって攻撃を継続。全員ラグビーでボールをつなぎまくり、最後はセンターのトゥクフカ・トネがトライを決めた。今シーズン最高、いや秋田NB創設13年にして最高のトライと言っても過言ではない。 この素晴らしいトライに秋田NBは乗りに乗る。12分にはフルバック南波流がペナルティゴール、19分にも同じく南波流がトライし、42-14とさらにリードを広げた。この後は、東京ガスも意地を見せ、得意の華麗なオープン攻撃から2トライを返すが、秋田NBもフランカー高橋主将がとどめのトライ。最終的に49-26で東京ガスに勝利した。 秋田NBはトップイーストリーグ昇格以来11年目にして東京ガスに初勝利、歴史を変えた試合だった。思い起こせば、秋田NBのルーツとなった秋田市役所ラグビー部は23年前、東日本リーグ(当時は現在のトップリーグに相当)の入替戦で東京ガスに敗れ東北リーグに降格した。それ以降秋田のチームは東京ガスにリベンジできていなかった。秋田ラグビーの歴史を変えた試合、揚々たる秋田NBの将来を暗示させる勝利だった。 しかし、これで安穏としてはいられない。チーム目標の6位を達成するためには、残り2戦を連勝する必要がある。これまでも秋田NBは素晴らしい試合をした後に、悔しい敗戦を経験してきた。4年前の釜石戦勝利後のヤクルト戦の敗戦。3年前のヤクルト戦勝利後の日本IBM戦との敗戦。その悔しい負けを知る選手達は、是非とも若い選手たちに伝えてほしい。使い古された言葉ではあるが「勝って兜の緒を締めよ」である。選手たちの次節での一層の奮起を期待したい。

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